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中村修二氏特許問題

20世紀中には実現不可能とまで言われた青色LED、LDを開発した中村修二氏(当時:日亜化学、現在:カリフォルニア大サンタバーバラ校 教授)の特許が、この度、「特許の価値なし」と判断され、日亜化学が権利を放棄するそうだ。
僕の研究分野が元々この分野だったので、裏事情に詳しいので差し支えない程度にコメントさせてもらうことにする。

この特許は、1970年代以降サファイア基板上に良質なGaN薄膜結晶を成長させるのが困難であったという問題に対し、同氏がその解決策として考案した「ツーフローMOCVD」と言われる薄膜成長法に関するものである。
その際に不可欠な要素技術として、サファイア基板とGaN薄膜の間に各物質間の格子定数差と熱膨張係数差を低減させるためにGaNバッファ層というものを堆積している。しかし、バッファ層自体はAlNという材料を用いて名城大学の赤碕先生が考案していたものなので、物質は違えど同氏の発明には本当の意味でのオリジナリティーはない。一方、MOCVDにツーフロー方式を用いたあたりは高いオリジナリティーが感じられる。しかし、MOCVDで二つの流れ(基板に垂直&平行方向)が存在することと、基板上でのガスの流れが不安定であること、さらに基板自体の傾きの影響がGaNの結晶性にかなり大きいこと・・・などのために各企業では、この方式を一度は採用したようだが、製品化に向けては歩留まりが押さえられなかったようである。そんなこんなするうちにGaNの良質は薄膜はツーフロー方式でなくても作製できる技術が確立されてしまった。逆に言えば、中村氏にしかできない職人的技術の賜物であるツーフロー方式は、工業化という点では劣っていたのかもしれない。そして、当時のどの論文を読んでも「なぜツーフロー方式で良質なGaN薄膜が得られるか?」と言ったことに対してはサイエンスの切り口では語られることはなかった。ま、これはわかっていても言えないのは仕方ない。言ってしまったら、中村氏の職人的結果から、普遍的かつ絶対的な事実が抽出されて他の企業に真似されてしまったに違いない。
でも、個人的にはこのツーフローという手法があってこそ、現在の青色LED、LDがあるのだと思う。ま、この特許紛争の裏にはそれ以外の力というか背景がありそうなので言葉で全てを語るのは難しいのかもしれません。

20060213195851.jpg


【図】中村修二氏が発明した「404特許」。同氏が「ダイヤの原石」と主張する特許を日亜化学工業が権利放棄へ
@(http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060211/113219/)より

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アイデアとは、かよわいもの
アイデアとはかよわいもの
しかし、世界をひっくり返すことがある一瞬

| 五葉松 | 2006/02/14 06:00 | URL | ≫ EDIT

確かに、アイデア一つで世界をひっくり返すことがありますね。
そして、誰もが思いつくようなシンプルなアイデアほど、実はインパクトが高かったりする。なかなか思いつかないですが。

| ★POPPY(五葉松さんへ) | 2006/02/14 08:58 | URL | ≫ EDIT















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